名進研には、小学五年生から二年間お世話になりました。

名進研への入会の動機は、息子の「地元の中学校には行きたくない」との考えによるものでした。二歳上の姉は公立中学校に通っており、私共にとっては初めての中学受験になりました。そのため情報にも乏しく、手探り状態のスタートでした。動機が動機のため、本人にすごく行きたい中学校がない事。これが最後まで引きずる事になります。

うちは普通の家庭。特に私立中学校に行く必要もなく正直お金もかかります。どうせ行くならレベルも高く、親子が満足できる中学校に入ってほしいと願っておりました。

五年生の最初に見学した南山中学校男子部に親は感激し、ほぼ第一志望となっておりましたが、息子は息子なりに名進研で友人の情報を集め、己の実力の無さを省みず、「東海中学校に行きたい」と申す様になりました。実際息子のクラスは東海中学校を目指すお子さんばかり。はるか後方に位置する息子にとって現実的ではない目標でしたが、クラス中が放つ毒気(?)にあてられた様でした。

しかし、六年生の夏期講習で疲れ切ったのか、九月から名進研での成績はガタ落ち。何よりも、「皆が行くから僕も東海中学校」というモチベーションのなさが現実逃避をはかり、全授業で居眠りをする事態に発展しました。

結果、十一月の名進研プレ中学入試でJAクラスへ。志望校全て20%以下。続く東海中プレ入試では算国評価1。既に受験に落ちた気分を味わいました。

常々、第一志望でなければ公立中学校に行けと言っていた私達。何のための名進研での二年だったのか、受験だったのか。

さすがに落ち込んでいる息子と話し合い、「どうしても東海中学校ならば、つらくても歯をくいしばって名進研で勉強して合格しなさい。落ちたら公立中学校に行きなさい。悔いのない受験をしよう。そうでないなら、少しでも可能性のある中学校に照準を合わせ絶対合格しよう」と。

十二月上旬に第一志望を南山中学校男子部に決定。先生の指示のもと、独力で過去問、作図に取り組みました。やっとお尻に火がついたのか、一月の名進研プレ中学入試で初めて評価の桜がほぼ満開になりました。

試験近くには、上の子がインフルエンザ、胃腸風邪になり、息子にはうつらないかとハラハラしつつ、無事終了。合格通知が届く日は、疲れからか私がめまいに襲われつつ、電燈に透かして指をなぞると、「…格…めで…う」の文字が。号泣しつつ、嬉しさよりも安堵の気持ちで一杯でした。

合格感謝式では神父様のお言葉で涙。本当にいい中学校に合格させて頂いて感謝しています。皆様、困った時は初心に還り、何故受験するに到ったかを思い出してみてください。