親が子どもに出来ること
息子が受験を決めたのは小学校三年の時です。鉄道研究会のある中学がある事を知り、東海中学校の九月祭に出掛けたことが始まりでした。本人の電車好きが高じて「鉄道研究会のあるこの中学に入りたい。」と言い出しました。丁度、仲良しのお友達が一緒に受験しようと誘ってくださり、息子も気軽に受験を言い出したのだと思います。我が家は普通の共働きサラリーマン家庭で、夫婦ともごく普通の成績でした。母としては『息子が東海中学校に入学?そんなことがあり得る?』が本音でした。
主人と息子と三人で話し合い受験するには、
・学校が本分であること
・途中で投げ出さないこと
・一生懸命勉強すること
を約束し、四年生から名進研に通い始めました。
初めは新しい環境や勉強が面白かった息子にも中だるみの時期が有り、勉強をしても成績は伸び悩み、自分のしたい遊びも出来ず、学校の宿題も塾から帰ってからの日が続くようになりました。六年生最初のプレ中学入試では東海20%未満という成績でした。保護者面談で、
「まだまだ余裕が伺えます。私から話しましょう。」
と言ってくださり、
・本気で合格する気があるのか
・友達と話す時間があるなら時間が無いとは言わない
と忠告してくださいました。私にも、
・中学受験は保護者との二人三脚、全面的にサポートが必要
と厳しい言葉を頂きました。
先生の言葉を聞き、おしりに火がついたのかそれからは、塾のない日も私が仕事から帰って来る時間には勉強部屋にこもっていたり、勉強の休憩時間と言っては歴史マンガを読んだり、テレビは時事問題に関するものであったり、正月特訓教室に参加しませんでしたが、みんな頑張っているからと机に向かっていました。そんな中で親として子どもにしてやれた事は、
・たくさんのプリントやテストを教科別、講座別に整理する
・躓いている部分のテキストをコピーして目につきやすい壁に貼る
・毎日五時起きで弁当を作る
・主人と連絡を取り合いお迎えに行く
この四点だけでした。息子には毎朝、新聞を取りに行く、家で晩ご飯を食べる時は仏壇に手を合わせる、お風呂の湯を入れる、シューズを洗う等小学校に入学した時からしている習慣は続けさせ、先生に言われた全面的サポートとはほど遠い生活でしたが、仕事を持つ身としてはこれが精一杯でした。
成績はTN3から変わらず、白星から黒星までの成績で先の見えない日々が続きました。母としては気持ちが焦りましたが、出来ることは限られイライラしても怒っても状況が変わるわけではなく、苦しい気持ちをグッと押さえ帰宅途中の車の中で問題を出し合ったり他愛ない話をして気分転換したりしました。最後には風邪をひかないように体調管理に気を付けつつ、余分なことは考えず仕事に集中する日々でした。
受験の日を迎え運も味方して、結果は星城中学校(石田奨励賞)、名古屋中学校、東海中学校と三戦全勝‼結局、息子の心には先生の言葉が胸に響き、光の見えない目標を目指し最後の一秒まであきらめず、東海中学校に進みたいと思った気持ちが強かったのだと思います。私が思っている以上に息子は頑張っていたのだと思いました。親ばかですが、息子の頑張りに拍手を送りたいと思います。
そしてこれからも変わらぬエールを送りたいと思います。












