中学受験を走り終えた感想 ー娘は素直によく取り組んでくれた!ー
我が家が受験を考え始めたのは、小学三年生の頃。親戚の子どもが中学受験に励み、その後の中学・高校生活を満喫している様子を聞いたり、文化祭等を見たりしたのがきっかけだったと思う。
しかし、我が家は子供三人と普通のサラリーマンと専業主婦の一家。私立中は金銭的には難しいかとは思いつつ、四年生から近所の個人塾に通わせた。その頃は塾で算数と国語を取り組んでいた。しかし、大手塾は理科と社会も取り組んでいるため、四年生の途中からは大手塾の進度をにらみながら、家庭で理科と社会の問題集に取り組ませていた。更に四年生の二月からは一年間、通信教育(四教科)を追加し取り組んだ。四・五年生の段階は一日に二時間、塾がある日は三時間程度、勉強していた。また、南山中学校女子部や愛知淑徳中学校の文化祭を見学して、本人は南山中女子部への志望を固めていたように思う。
五年生最後の外部模試の偏差値は58程度(南山中女子部合格80%ラインは64)だった。五年生の二月に大手塾のノウハウや情報量が欲しかったこともあり、転塾を考えた。名進研にした決め手は19時までの講義で、家族全員で晩ご飯を食べられることである。小学校時代を受験一色にしたくない我が家にとっては大事なことだった。また、食後はNHKニュースを毎日親と一緒に見て、息抜きと社会理科の時事問題知識を吸収していた。
春期講習からは、名進研の進度をペースメーカーに、与えられた範囲でできなかった×問題を何度かやり直し、週末のテストゼミに向かった。この頃から私(父親)が×問題に対し周辺知識も含め解説を加えるようになった。また、テストゼミの間違い直しも実施し、名進研から与えられた課題を確実にものにすることを中心に取り組んでいた。
◎夏休み
夏休み前までに受験時に必要な全範囲が終わるので、まとまった時間が取れる夏休みを、基礎を確実にする最後の機会と捉えて取り組んだ。まずは総復習の意味で出されている課題をこなしつつ、日々の隙間時間やお盆などの空いた時間で、四年生から夏休み前までの問題集、名進研のテキストやプリントの間違えた個所を取り組んだ。また、夏休みの最後にある、名進研が休みの期間を利用して過去問に取り組んだ。
このやり方が良かったかどうかは分からないが、全範囲をやり直したことで、安定した実力をつけることができたと思う。
◎基礎的なこと【いつからやったか?】
漢字と計算と図形は基本的に毎日30分程度やることで、基礎事項の定着を図っていた。漢字は名進研の問題集、計算と図形は市販の問題集を買って取り組んだ。できなかった個所は二週目、さらに三週目と学習するなどしていた。計算は落としたくない分野だが、本人は多少雑なところがあり、ゆっくり丁寧にやるよう言い続けたが、親としてはあまり短所を指摘しすぎると、長所である解くスピードが落ちることや自信を無くすことを懸念したので、受験近くになってからはあまり強くは言わないようにした。ちなみに、当日は大問1で普通の分数問題を1問落としている。やはり、練習時にできないものは本番でもできないものだと痛感した。
◎過去問
受験本には過去問が重要とよく書かれている。本人のモチベーションを上げる&現在の立ち位置を把握するためにも、我が家では南山中女子部の過去問を早めに取り組むことにした。
最初に取り組んだのは五年生の十二月に社会で、その時に合格者平均点を超えたことに正直驚いた。その後、七月に残り三教科を取り組ませた。それ以降、夏休みに二〇一二~二〇一四年を取り組み、九月からは二〇〇五~二〇一九年を取り組ませた。これまでやってきたテキストなどに過去問が散りばめられていることもあるのか、合格者平均を上回っていたが、過去問で点が取れることは親としても自信となった。その後、十一月からは二回目(二〇一二~二〇一八年まではすべて、二〇〇五~二〇一一年までは×問題)を行い、一月に二〇一九年の二回目を当日同じ時間帯で取り組ませた。
◎直前期
元日以降は、これまでやってきた「過去問」、「志望校別特訓講座」、「冬期講習」、「テキスト」、「プレ中学入試等の模試」、「直前対策講座」、「九月以降のプリント」の×問題を、最後の追い込みでやり直した。最後の一週間はインフルエンザにかかるリスクを避けるために小学校を休んだ。また、二週間前からは六時半起床で朝型のリズムに変えるようにした。
◎塾との相性
子供は名進研の教師陣の授業が面白かったようで、名進研での勉強は楽しいといつも話していた。多分、周辺知識や時事的なことを織り交ぜて面白く授業していたところではないかと思う。しかし、プレ中学入試の結果があまり振るわなかった六年生十月頃は「勉強が大変で辛い」と愚痴をこぼしていたこともあった。この時期に急激に実力が下がることはないので、親としては少し勉強時間を減らし、優しく接するように努めた。今後の方にも成績や本番へのプレッシャーなどで苦しい時期もあるだろうが、楽しい気分で勉強しなければ頭に入るものも入らないので、その点は注意した方がいいと思う(我が家でも親の頭に血が上り、子供を泣かせたことも多々あり、妻が勉強を止めたことも時々あった……)。
◎親としての感想
保育園から大学まで私立と縁がなく、塾に行ったことのない私にとって、私立中学やそのための受験塾は正直なところアレルギーがあった。しかし、勉強を頑張る娘の姿や志望校の雰囲気を味わうにつれ、そんな人生を選択するのも娘にとっていい経験になるのではと感じた。
六年生途中からの娘とマンツーマンで勉強したことも今となってはいい思い出である。平日、帰宅後に娘の横に座り宿題や課題に解説を加えたり、休日も名進研がない時間は同様に過ごした(名進研の時間は下の子供を外に連れ出したり)。また、テストゼミや模試へ向けてどの課題をやるか、長期的な視点でいつ過去問に取り組み、十二月までに何をやり、直前期はどの順番でやりつくすのか作戦を考えて取り組んだ。娘は拒否反応を見せず素直によく取り組んでくれたと思う。
中学受験を走り終えた感想としては、与えられた課題を確実にこなし、理解できるまで何度でもやり直すことが、合格につながるのではと感じる。また、名進研からは手を替え品を替え様々な問題のプリントが提供されたが、これこそが塾が持つ情報量なのかと感じた。ただし、プリントには様々なレベルの問題が混じっているので、いわゆる捨て問を親が見極めないと子供にとっては大きな負担になるのではと感じた(志望校によっては難しすぎる問題もあり、塾サイドからもレベルを表示したほうが良いとは思う)。
他の子供と比べると勉強時間は少ない気もするが、私の大学受験時よりも多くの時間を勉強に費やしていた娘は、受験勉強が嫌になるかと心配もしていた。しかし、受験後の二月からは中学へ向け英語の勉強を始めており、「勉強」を肯定的にとらえている姿にほっとしている。また、下の子たちも上の娘の様子に感化されたのか、言われなくても机に向かうようになり、勉強面に関してはうまく回っているように思う。
これからは勉強だけでなく、友達と遊び、外で様々なことを経験し、自分の将来を自分で決められる女性に育ってくれればと思う。












